歯科健診の効果

いつまでも、自分の歯で食事をしたい

そう考える方は多いのではないでしょうか。食べ物をよく噛んで食べることは、健康づくりの基本です。歯がすべて揃っていると、1本くらい抜けても大丈夫だと思われるかもしれませんが、実際に抜けてしまうとその不自由さに気づいて後悔される方も。奥歯を1本失うだけで、咀嚼力(噛む力)は35%も低下して65%に。仮に全ての歯を失うと、総義歯(総入れ歯)を入れたとしても、咀嚼力は20%まで減少してしまいます。これでは、食事を楽しむことはできません。

では、歯を失わないためにはどうしたらいいのでしょうか?

定期的に歯科健診を受診することが何よりも重要です。歯科健診は、歯科医師による口腔疾患診査や治療のカウンセリング、歯科衛生士による歯石の除去・ブラッシング指導で構成されています。歯を失う主な原因は、治療が手遅れとなった虫歯と、知らず知らずのうちに進行している歯周病。虫歯も歯周病も口内の細菌が原因で発生し、歯垢(プラーク)が細菌の温床となっています。

つまり、虫歯や歯周病の予防には、毎日の正確で丁寧な歯みがきで歯垢を除去することが非常に大切なのです。しかも自己流ではなく、歯科健診を通じて歯科衛生士にきちんと指導を受けて磨くほうが清掃効果は大きくなります。また、デンタルフロスや歯間ブラシを使うことも重要なポイント。そして歯みがきと同様に、歯間ブラシのサイズ選び、使い方についても歯科衛生士のアドバイスを受けたほうが効果は高まります。

しっかり予防していても、虫歯や歯周病になってしまったら……。

放置せずに、いち早く治療を行うことが重要です。一般的な歯科健診結果では、軽度の虫歯(C0・C1)や歯周病が60%~70%を占めています。つまり、定期的に歯科健診を受けることで、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療が可能になるのです。

歯科健診は、まず “自分の歯”に関心を持ち、認識を深め、自分の歯の現状を把握することから始まります。そして、各々の歯の状況にあった対策と予防を行うことで、将来にわたって健康で丈夫な歯を守ることにつなげていくのです。

歯が健康な高齢者は健康状態も良いとの調査が報告されており、健やかな高齢期を迎えるためには、今のお口の健康を守ることが欠かせません。生涯にわたって楽しく、気持ちよく幸せに暮らしていくためにも、歯科健診を通じて自分の歯に向き合っていくことをおすすめします。